富山西部 官民で誘客 観光振興組織、来月に設立
富山県西部の観光振興を目指す官民組織「富山県西部観光社 水と匠」(富山県高岡市)が5月下旬に設立される。北陸コカ・コーラボトリング(同市)や三協立山といった同県西部に拠点を持つ企業を先導役に高岡や射水、氷見といった自治体が参加する予定だ。日本版DMO(観光地経営組織)となり、旅行商品の開発などを通した地域活性化を目指す。
立山連峰を望む水辺の風景が人気の富山県西部は銅器や彫刻といった伝統技術が根付く地域でもあるが、誘客では金沢市に大きく出遅れている。水と匠は企業や自治体がアイデアを持ち寄り、空き家となっている古民家を改修して宿泊施設にしたり、域内の伝統技術に触れる旅行商品を開発したりして地域資源を観光に生かしたい考えだ。
高岡市内で18日に開かれた事業説明会で、代表理事を務める稲垣晴彦氏(北陸コカ会長)は「ローカルなエリアの需要は簡単には広がらない。発展には外から人を呼び込まなくてはいけない」と設立の背景を話した。
5月下旬の設立後、国から情報や財政面での支援が受けられる日本版DMO候補法人に登録される見通しだ。民間主導でDMO候補法人の登録を目指す取り組みは北陸3県では初で、全国的にも珍しいという。2年以内にはより幅広い支援が受けられるDMO登録を目指す。
県内では自治体主導のとやま観光推進機構(富山市)と、黒部・宇奈月温泉観光局(同県黒部市)がそれぞれDMOとDMO候補法人に登録されている。