私がまだ若い母親として2人の息子の子育てに奮闘していたころのこと。ある朝、4歳になったばかりの長男が起きてくるなり、「今日はお母さんの誕生日やなあ。僕が大きくなったら、首飾りを買ってあげるからな」と言った。
私はうれしくて、日記にこう書いた。「心がほわっとした。女の人はみんな首飾りを欲しいと思っているところがおかしいが、小さいなりになかなか考えてるやないか。でも、大きくなったら首飾りは他の女の人に買ってあげるんだろうな」
それから息子たちはどんどん成長し、生意気になっていく。私はたびたびこの話を持ち出し、「あーあ、あのときのかわいかった子は一体どこに行っちゃったんだろうね」と付け加えた。
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