再生医療の治療計画取り下げ 都内の民間クリニック
幹細胞を使った再生医療の治療計画をサンフィールドクリニック(東京・江東)が取り下げた。厚生労働省の専門部会が28日までに公表した。2014年に再生医療等安全性確保法が施行されて以来、取り下げは初めて。同クリニックは今後、臨床研究として計画を再提出するという。
再生医療等安全性確保法では、再生医療を実施する際は専門家による審査と国への届け出が要る。同クリニックは他人の脂肪から取り出した幹細胞を使い動脈硬化を予防したり糖尿病を改善したりする再生医療を自由診療として実施していたが、同法施行に伴って15年11月に計画を厚労省の専門部会に提出していた。
部会は治療の有効性などを議論し、国内外で実施例がなくリスクと効果を評価するためのデータが不十分だと判断。治療ではなく臨床研究として実施するよう求めた。これを受け同クリニックは計画を取り下げ、自由診療の提供も今月14日に中止した。