血統馬続々(美浦)

 こんにちは、坂本です。降ったりやんだりの中山競馬場からお送りします。

 それにしても台風15号の影響で交通機関がマヒして、一部のジョッキーが移動できずに乗り替わりになるなど自然の猛威は恐ろしいものです。私自身は電車などに缶詰にされてしまった記憶は無いのですが、もう十年以上も前に北海道の旭川を旅行していたところ、たまたま台風が襲来。強風が吹き荒れるなかで傘をバタバタにして歩いていたところ、某公共放送の地元ニュースで映されてしまったことはあります。メタボな体形で吹き飛ばされそうな雰囲気はなかったものの、「せっかくの旅行先で…」と散々な表情をしていたのは臨場感があったのかもしれません。そんな不安定な天気は競馬では馬場状態にも大きな影響を与えますし、そろそろカラッと晴れてほしいものですね。

 それではそろそろ本題へいきましょう。まずは手塚厩舎からいきます。新馬の話題からいきますと、レヴォルタード(牡、父エピファネイア、母バウンスシャッセ)が、開幕週となる10月8日の東京・新馬戦(士馬1800M)でデビューを目指しています。母は14年のフラワーCなど重賞3勝を挙げて、そのきょうだいにはコントラチェックやムーンクエイクなど重賞勝ち馬が並ぶ、いわゆる“藤沢和血統”と言われる一族です。手塚調教師は「普段はおとなしくしていて、速いところにいくと口向きの悪さを見せる。でもひと追いごとに良くなっています。無駄肉がなく、背が高くてスラッとしている。スピードに乗ってから、いいところがありますね」と、課題を指摘しつつも素質に期待を寄せています。3日間開催となる東京1週目は、楽しみな新馬が多そうな感じがします。

 そして血統的に楽しみなテルテ(牝、父ハーツクライ)は、10月15日の新潟・新馬戦(牝馬限定、芝1600M)に今村聖奈騎手で予定しています。ヤングワールド(牡、父コパノリッキー)は、10月9日の東京・新馬戦(ダート1600M)へ。藤田晋オーナーのダグフォース(牡、父ドレフォン)は、3週目の10月22日の東京・新馬戦(ダート1600M)に向かいます。そうそう、9月の最終週の新潟で新馬勝ちしたテンカノギジン(牡、父エピファネイア)は、東京スポーツ杯2歳S(11月19日、東京)へ。血統的にもネーミング的にも個人的に注目している馬で、同じ左回りでどんなパフォーマンスをするか楽しみです。

 この流れで武井厩舎にいきますと、先週の中京で8馬身差の圧勝デビューを飾ったハーツコンチェルト(牡、父ハーツクライ、母ナスノシベリウス)も、東京スポーツ杯2歳Sに向かいます。武井調教師に聞きますと、「レース後も問題ないです。クラシックを意識しますね」と期待の大きさが伝わってきました。厩舎ゆかりの血統で、今後の取材も楽しみです。8月の新潟で未勝利勝ちしたサイブレーカー(牡、父Uncle Mo、母Downside Scenario)は、京都2歳S(11月26日、阪神)へ。

 また新馬のフェザーモチーフ(牡、父ハーツクライ、母オーサムフェザー)は、10月2日の中山・新馬戦(芝1800M)へ。母はブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズなどG1勝ちのある実績馬で、両親ともに血統の良さが光ります。武井師は「今のところ課題はなく、いい競馬ができると思います。折り合いもつくし、センスもいい。中山もこなしてくれれば」と、高く評価しています。

 最後は林厩舎です。先週の中山で豪快に差し切って快勝したメインクーン(牝、父ハーツクライ)は、9月23日に山元トレセンへ放牧に出されました。林調教師は「本当にいい勝ち方をしてくれました。メンタルの幼さはありますが、その現状でも勝ちきれたので、素質のある馬です」と、評価していました。次走については放牧先での状態を見ながら検討していくそうですが、どの路線を選んでいくのか注目ですね。

 新馬のヴァンナチュール(牡、父ヴァンセンヌ、母ジョイオブライフ)は、10月2日の中山・新馬戦(芝1800M)でデビュー予定です。林調教師は「体形的に幼いところがあって、先々良くなりそうななかで、1週前の動きは及第点以上でした。今週コースで追い切っての変わり身があると思います。津村ジョッキーに乗っていただき、操縦性は全く問題ないとのことでした。楽しみです」と、好感触です。

 同じく来週デビュー予定のクイーンオブソウル(牝、父マインドユアビスケッツ)は、10月1日の中山・新馬戦(牝馬限定、芝1600M)で初陣を迎えます。「(1週前は)しまい重点でやって、想像していた以上の動きをしてくれました。素質はいいものをもっています」と、期待十分の雰囲気。今週の木曜日の美浦・坂路で、ラスト1ハロン12秒1をマークしたのはこの馬が唯一で、かつトップの数字でした。こちらも要チェックの一頭です。

 そしてチュウワグルーヴの20(牝、父リアルスティール)は、9月16日にゲート合格。トレーナーに今後の見通しを聞くと、「このまま競馬を目指すか、放牧に出すかは、オーナー様とご相談させていただいてですね。きれいなシルエットをした馬で、先々走ってくれると期待しています」という評価でした。叔父に20年のチャンピオンズCなどを制したチュウワウィザードがいる血統です。

 それでは今日のところはこのへんで。

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル