2023年、就職氷河期世代に副業がおすすめな理由

2023年1月30日 08:03

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 Z世代に注目が集まっているが、彼らの親たちも含まれているのが氷河期世代だ。就職氷河期世代が抱える問題は社会的にも重要なテーマだが、中でも働き方については副業をおすすめしたい。本記事では、2023年、氷河期世代に副業がおすすめな理由について紹介する。

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■就職サポートが充実のプログラミングスクールが増加

 厚生労働省の定義によれば、就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1990年代から2000年代に就職活動を行った人々を指している。つまり、2023年現在で、30代後半から50歳前後の年代が就職氷河期世代に該当する。

 政府は氷河期世代の就労支援を推進しているが、当初の目標達成は難しい状況である。2019年夏頃、政府は2020年度からの3年間で、氷河期世代の正社員雇用数を30万人に増やす計画を発表した。

 2022年12月には「就職氷河期世代支援に関する新行動計画2023」を策定し、同時に足下の実績についても公表している。この実績によれば、「就職氷河期世代専門窓口」利用者の正社員採用数は、約3万3000人だった。この数値は、計画がスタートした2020年4月から2022年11月時点のもので、30万人の目標からは程遠い。

 こうした状況を見ても、氷河期世代の問題を解決するには、自助努力は欠かせないようだ。そこでおすすめしたいのがプログラミングの副業である。プログラミング未経験者にとっては、学習や案件獲得の部分で不安が大きいだろう。だが現在では、就職サポートの充実しているプログラミングスクールが増えてきている。

 1月10日、プログラミングスクールのSAMURAI ENGINEERは、「副業スタートコース」の開講を発表した。この新コースは、12週間でWEB制作スキルを習得し、収入獲得のノウハウも学べるという内容である。カリキュラムには「案件トライアル」があり、現場レベルの案件に取り組むことで、収入獲得のための実践的スキルが身に付けられる。

 日本の様々なビジネスシーンで、DX(デジタルトランスフォーメーション)は最も大きな課題のひとつだ。しかし、DXを担うためのデジタル人材やプログラマーは不足している。将来的な需要も見込めるからこそ、氷河期世代にはプログラミングの副業からの転職をおすすめしたい。

■副業は氷河期世代のキャリアアップにもおすすめ

 就職氷河期世代のテーマについて考える時、非正規雇用者を連想するかもしれない。だが、氷河期世代で問題を抱えているのは非正規雇用者だけではなく、正社員採用された人々も含まれているのだ。

 氷河期世代の問題は、バブル崩壊後の不景気に背景がある。企業は採用数の枠を削るため、少なくなったパイを学生たちで奪い合う形になるのだ。

 新卒採用がキャリアデザインの基本であった日本において、就職口を探すことは学生の最優先課題である。そのため、第1志望の企業ではなく、妥協の末に正社員採用された氷河期世代の人々も少なくないのだ。望まない働き方、賃金などの労働条件などについて、不満を抱えながらも働き続けているのである。運良く就職できたとしても、理想のキャリアを積めているとは限らない。

 このような氷河期世代のキャリデザインの見直しについても、副業をおすすめしたい。働き方を変えるには転職が解決策となるものの、現実にはリスクや不安も大きいからだ。副業は転職に関わるリスクの問題を軽減させ、現在の働き方とのクッションとして機能する。

 副業は必ずしも成功させる必要はなく、気軽に始めて続けられる点もメリットだ。かねて興味のあった仕事、学生時代に夢だったが諦めてしまった仕事にも、副業を通してチャレンジできる。

 加えて、副業によるキャリデザインの見直しは、転職だけでなく本業についても効果が期待できるのだ。副業で新しい環境に触れることにより、本業にもフィードバックできる。今までになかった視点で本業を見つめ直すことで、転職せずにキャリデザインの問題を解決するのも可能なのだ。

 氷河期世代は今や、日本経済の重要な部分を担う世代である。働き方の問題を解決しより良くするためにも、2023年は副業に挑戦してはどうだろうか。(記事:西島武・記事一覧を見る

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