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レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ作曲 「海の歌」(Sea Songs)

昔、短波ラジオで海外放送を受信する BCL が流行っていたころ、私も一生懸命海外放送を聞いていました。

多くの放送局は海外向け放送の合間に「インターバルシグナル」という各放送局独自の短い音楽やアナウンスを流していました。

特に私が好きだったのは、イギリスBBCの日本語放送の合間に流れていたインターバルシグナルです。

日本の学校のチャイムのメロディーでもなじみの深い「ビッグベン」(ロンドンの英国国会議事堂に付属する時計塔内に設置されている大時鐘の愛称) の鐘の音と、それに引き続いて美しい音楽が流れていました。

何度も録音したのですが今は手元に残っていません。しかし、YouTubeに当時の雰囲気そのままの録音されたインターバルシグナルをアップされている方がいました。

この録音を聞いていると、家族が寝静まった深夜にラジオのダイアルを回しながら、雑音に埋もれそうになるインターバルシグナルを追いかけていたあの頃を懐かしく思い出します。

ずっとこのインターバルシグナルで流れる音楽の曲名を探していたのですが、以前記事にしたことのある「鼻歌検索」で探し出すことができました。まじめに検索すればもっと早くに見つけだすこともできたのでしょうが、note で書いた記事をきっかけに改めて探してみたところ、意外に簡単に見つけることができたのです。

この曲は、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ作曲の「海の歌」(Sea Songs) という曲でした。もしかしたら、インターバルシグナル向けに作曲されたのかもと思っていましたが、1900年代前半に作曲された行進曲でした。元々は1923年に軍楽隊のための「イギリス民謡組曲」の第2楽章として編曲されたものだそうです。

インターバルシグナルでは美しく流れるようなサビの部分が使われていますが、全体を通して聞いてみると、より行進曲らしい勇ましさも感じます。

イギリス人にとってこの曲がどのような意味を持っているのか私にはわかりかねますが、国際放送のインターバルシグナルに使われていることや、改めて曲全体を聴いた雰囲気から、私は、海洋国家としてのプライドやアイデンティティを表現しているものとして愛着を持って聞かれているのかな? などと勝手に思ったりしています。

とにかく私にとっては懐かしい BCL の思い出の一曲です。

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