東京藝術大学で学生たちが東京美術学校の校歌を再生させ演奏会

校歌が制定されていない東京藝術大学で学生たちが前身の「東京美術学校」にあった校歌を再生させ、27日夜、演奏会で披露されました。

披露されたのは、昭和5年ごろに詩人の川路柳虹が作詞、山田耕筰が作曲した前身の「東京美術学校」の校歌をアレンジしたもので、東京藝術大学の有志の学生たちで
▽歌詞の一部を変更したり
▽オーケストラや和楽器を加えた独自の譜面を作ったりして完成させました。

27日夜、初めての演奏会が大学の音楽ホールで開かれ、活動の中心になった美術学部の高田清花さんたちが、校歌の再生に取り組んだ経緯などが映像で紹介されたあと演奏が行われると、訪れた人たちからは大きな拍手が送られていました。

演奏会に訪れた別の大学の学生は「すばらしい演奏会でした。校歌を通じた学校のつながりを改めて感じました」と話していました。

今回、再生された校歌は大学の正式な校歌としては制定されませんが、クラウドファンディングで集めた資金で、活動を伝える本の制作などにも取り組むということです。

高田さんは「私たちの代で終わりにするのではなく、歌の力を信じて、再生した校歌をあとの世代にもつないでいきたいと考えています」と話していました。