栃木 那須町 高校生など8人死亡の雪崩事故から7年 犠牲者悼む

栃木県那須町で部活動として行われていた登山の訓練中に高校生などが雪崩に巻き込まれ8人が死亡した事故から27日で7年です。現場近くには献花台が設けられ、地元の人や関係者が花を手向けて犠牲者を悼みました。

平成29年3月27日、栃木県那須町の茶臼岳で県内の高校の山岳部が集まって歩行訓練をしていたところ雪崩に巻き込まれ生徒7人と教員1人の合わせて8人が死亡しました。

事故から27日で7年となり現場の山を望む場所には献花台が設けられ、時折強い風が吹く中、地元の人や関係者が訪れて花を手向けるなどして亡くなった8人を悼みました。

娘と孫の3人で訪れた60代の地元の女性は「ここに来ると涙が止まらなくて、寒い中かわいそうだったな、苦しかっただろうなと思います。大変な事故があったことを風化させたくないと思い孫と一緒に来ました」と話していました。

また、栃木県山岳・スポーツクライミング連盟の粂川章 会長は「事故が起きた日と同じような気象状況だと思いながら歩いてきました。事故を二度と起こさないためにはどのような取り組みができるかを考えながらお祈りしました」と話していました。

この事故をめぐっては、引率した教諭ら3人が業務上過失致死傷の罪に問われていて、ことし5月30日に宇都宮地方裁判所で判決が言い渡される予定です。

元山岳部員が追悼登山 “山に来る人 見守って”

事故当時、県立大田原高校の1年生で山岳部の一員として訓練に参加し雪崩に巻き込まれた三輪浦淳和さんは、27日茶臼岳を訪れました。

事故が発生した時間帯にふもとから登りはじめひざのあたりまで積もる雪をかき分けながら登山者の目安となる「一本木」と呼ばれる木がある地点で花を手向け、手を合わせて祈りました。

三輪浦さんは、「『家族や友だちと、山に来る人を見守ってください』と伝えました。8人と大好きな山で一緒に過ごした時間は今も変わらず自分にとってかけがえのないもので、こうした事故をなくしたい、同じ気持ちになる人を減らしたい、と思っています。事故のことを発信して皆さんに思い出してもらい、風化を防ぐことが自分の今いる存在意義だと考えています」と話していました。