三浦一馬((c)日本コロムビア)

 「タンゴ界の革命児」と称されるバンドネオン奏者の作曲家アストル・ピアソラ(1921~92年)。その音楽に心酔し「コンサートで2時間弾きまくっても、帰りの車の中で大音量で聴く」という、若手実力派バンドネオン奏者三浦一馬が率いる五重奏団(キンテート)が27日、西宮市の兵庫県立芸術文化センターで公演する。全ピアソラプログラムで奥深い世界へいざなう。(藤森恵一郎)

 バンドネオンはボタン式の蛇腹楽器で、アルゼンチンタンゴによく使われる。三浦は10歳の時にNHKのピアソラ特集番組を見てバンドネオンを始め、世界的権威ネストル・マルコーニに師事。2008年にイタリアの国際ピアソラ・コンクールで日本人初、史上最年少で準優勝を果たした。ピアソラ音楽をライフワークとし、その神髄を究めている。

 キンテートはバンドネオン、バイオリン、コントラバス、ピアノ、エレキギターから成る。三浦は「強靱(きょうじん)なビートの骨組みに、甘く切ないメロディーが乗る、ピアソラが求めた究極の編成」と強調する。