JR四国、25年3月期に経常黒字へ 事業計画を発表
JR四国は29日、2025年3月期に経常黒字を見込むグループの事業計画を発表した。鉄道運輸収入などの営業収益が回復するとみる。成長に向けた費用も増加するため営業損益は24年3月期の計画と同じ158億円の赤字だが、経営安定基金の運用益など営業外利益が増える。
計画では①鉄道事業の収益拡大推進②構造改革の加速③ホテルや駅ビル・不動産など非鉄道事業の収益最大化――を重点実施項目とした。同日に記者会見したJR四国の西牧世博社長は「成長の種を増やし、育てたい」と話した。
グループ全体の営業収益は532億円を計画する。24年3月期の計画と比べて36億円増となる。そのうち運輸収入は226億円で、新型コロナウイルス禍前の96%の水準まで回復する見込み。一方で松山駅の高架化に伴う出費など、成長に向けた支出も拡大する。経営安定基金運用益などの増加により経常利益は1億円未満ながら黒字となる。
25年3月期の設備投資は185億円を見込む。鉄道関連は131億円で、老朽設備の更新などに68億円、防災対策などに19億円を充てる。非鉄道事業では、松山駅の高架下商業施設の開発などの成長投資を中心に53億円を投じる。
赤字路線が増加、JRの一部路線では廃線の可能性も検討されるローカル線。地域の足である鉄道の維持のための取り組みや地方の鉄道が抱える課題などについてのニュースや解説をまとめました。
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