真空ジェシカのボケ担当、川北茂澄(34)の父、川北茂樹さん(63)が23日、群馬・前橋市で「昭和高校球児物語 前高 完全試合のキセキ」の出版イベントを行った。川北さんは第50回センバツ(78年)で、史上初の完全試合を達成した前橋の主将で、「1番サード」として偉業達成に貢献した。その時のナインの実話を一冊の本にまとめた。

部員20人、平均身長168センチと小柄な進学校が球史に残る快挙を成し遂げた。川北さんは「19年に糖尿病で2週間入院した時、これで死ぬのかな、と思ったら、何か遺しておきたいと思った。どうして完全試合ができたのか今でも分からないので、入学から卒業までを書いてみた。野球っていうのはこういうこと(可能性)もある。強く投げて、強く打つだけじゃない。全員の適性を生かすことができた結果かなと思う」と話した。

息子の茂澄さんには、本を出版したことを報告したという。「とくに感想は聞いていません(笑い)。U字工事さんとロケでご一緒した時、“お前の父ちゃん、マエタカの野球部だったんだってな”と言われたそうです。息子は小さいころから剣道をやっていて、大学でも剣道をやると言っていたが、気づいたらお笑いサークルに入っていましたね」と笑った。

前橋のエースで4番で、現在桐生野球部の松本稔監督(63)は「川北はすごい本を書いてくれた。もし売れ残ったら真空ジェシカが買ってくれると思います(笑い)。本日も息子さんに来てくれるようお願いしたが、忙しくてこれなかった」と盛り上げた。【鳥谷越直子】

◆完全試合VTR 1978年3月30日、1回戦前橋1対0比叡山。エース松本がカーブと直球を武器にほんろうし、春夏通じて初の完全試合を達成した。球数78球。内訳は内ゴ17、内飛2、外飛3、奪三振5。

◆川北茂樹 1960年9月30日生まれ。前橋-慶大-リクルート。リクルートに就職、2000年に就業部門ごと独立しザイマックスとなる。現在同社取締役。

◆真空ジェシカ 川北がボケとネタ作り担当。慶大。ガク(川俣岳)がツッコミと嘆き担当。青学大。11年、大学在学中にコンビ結成。M-1グランプリは21年から3年連続で決勝進出。