4月9日、富士山で大量の水分を含んだ雪が土砂とともに流れ下る「スラッシュ雪崩」が発生しました。雪と土砂は、下流域の砂防施設で受け止めていて、これまでに被害の情報はありません。

国土交通省富士砂防事務所によりますと、スラッシュ雪崩が起きたのは9日午前8時20分ころで、静岡・山梨県境の大沢崩れ下流部の標高2100メートル地点から流れ始めるのが確認されました。流れ下った土砂は砂防施設の遊砂地が受け止めたため、これまでに被害の情報はないということです。

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スラッシュ雪崩とは、大量の水分を含んだ雪が土砂を巻き込みながら流れ下る現象です。

富士山では8日から雨が降り、「御中道」の観測点では、土砂が流れ始めた9日午前8時から9時の1時間に23ミリの強い雨となり、降り始めから午前8時までの雨量は88ミリに達していて、スラッシュ雪崩が発生したとみられています。土砂はまだ流れ続けているということです。

富士砂防事務所では、監視を続け、今後、流れ出た土砂の量を把握するための調査をする予定です。