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またいつか歩きたい大雪山系の山々

画像はたぶん北海道の大雪山系赤岳に登ったときの光景。夏山と雪渓のコントラストが見られ高山植物も咲き誇る6月がベストシーズン。


登山をはじめたのは30代のころ。当時住んでいた札幌で、友達と一緒に円山、藻岩山、三角山、大倉山などを登り、少しずつ道具をそろえていった。

慣れてくると低山では飽き足らず、一人でガイドツアーにも参加。アウトドアショップ主催の登山ツアーで、会員になれば誰でも申し込みできるから当日までメンバーは分からない。でもたった半日程度時間を共にしたただけなのに、山を登り帰る頃にはみんな打ち解けているから不思議だ。

山の魅力に気付かせてくれたのは、初めてのツアーで担当だった阿部さん。明るくて気さくな性格と高い技術力をもつ女性のガイドさんだ(最近の活動を調べてみると数年前には南極観測隊にも同行していた!)。後から気づいたのだが、阿部さん担当のツアーはすぐに満席になってしまうほど人気だった。

ツアーに参加した人々は口をそろえて「阿部さんと一緒だとどこでも登れちゃう」と言う。実際に私もニセコ、羊蹄山と北海道内あちこちの山に行くうちに鍛えられ、憧れていた大雪山系の山々に登れるようになり、ついに縦走登山デビューも果たした。

標高約1,825mに建つ「上ホロカメットク山避難小屋」(画像は建て替え前のもの)
2階建ての無人小屋で中は板張り。左の小さな小屋はトイレ。

上富良野岳~上ホロカメットク~十勝岳を1泊2日で縦走するコースに参加し、初めて山小屋に泊まった。近くの雪解け水をくみ、みんなで夕食をたべ食後はプチ宴会。重い荷物の中に焼酎やワインを忍ばせてくる先輩たちに驚いたものだ。秀岳荘で買った新品の寝袋にくるまり目をつぶるものの、興奮とワクワクでほとんど寝付けなかったのもいい思い出。疲れすぎて楽しむ余裕はなかったけれど、いま考えてみたら天候にもメンバーにも恵まれて本当に貴重な体験だった。

ボロボロの山小屋デビューのおかげで、後日泊まった黒岳石室は天国かと思うほど。夏だけ管理人さんがいるしビールも売っている(350ml缶が500円!)さらにバイオトイレもあり快適だった。

ちなみに私が参加していた山岳ツアーでは、集合場所(札幌市内)からの送り迎え付きで山の案内をしてくれるだけでなく、縦走登山の場合は夕食と朝食も用意してくれる。参加者は1泊2日の装備と昼食、行動食、飲料水などを持参すればいい。だから、下山後に温泉に入って帰りの車でうとうとし、気が付いたら到着なんてこともよくあった。

全員分の食事を調理したり、疲れた様子も見せず札幌まで運転したり(高速道路で約3時間の道のり!)とガイドさんの逞しさに何回関心したことか。阿部さんと登ったたくさんの山々はどれも本当に素晴らしかった。いまでも山に惹かれるのはこの経験があったからこそ。ご迷惑をかけたこともあるが、それはまた別の機会に。いつかまた、今度は夫と一緒に、大雪山の絶景を堪能したい。

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