超リッチなロナウド、バイエルン復帰のカーン...2002年W杯決勝両軍のスターたちはいま (4ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

選手を目指すクローゼの双子の息子たち

 日韓W杯のインパクトは強かったようで、アジアでの人気は高い。中国では2009年、優秀な若手GKを探すというテレビのリアリティショーに出演。勝者はドイツサッカー協会のエリートトレーニングアカデミーで学べる権利を得られるとあって人気を博した。

 2020年からは古巣のバイエルン・ミュンヘンの幹部となり、2021年6月にはCEOだったカール・ハインツ・ルンメニゲか引退すると、その座を引き継いだ。今度は経営者としてドイツの強豪を引っ張っている。

ミロスラフ・クローゼ(ドイツ)

 ロナウドに次ぐ5ゴールを決め、リバウド(ブラジル)とともに大会得点ランキング第2位になったのは、ドイツのクローゼだ。新世代のドイツの"爆撃機"として期待に応えた。カイザースラウテルン、ブレーメン、バイエルンでプレーした後、最後はイタリアのラツィオで2016年に引退。アメリカや中国のチームからビッグオファーもきていたようだが、「別な立場でピッチに立ってみたい」と、間髪を入れずに指導者の道へと進む。

 ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督のもとに弟子入りすると、2018年ロシアW杯にはコーチという立場でピッチに立った。その後バイエルンのU-17チームの監督を経て、2020年からはトップチームのハンジ・フリック監督のアシスタントコーチに就任。フリックがバイエルンに契約解除を申し入れてドイツ代表監督に就任した時には、代表コーチの座を打診されたが、クローゼはそれを断ったという。

「たとえハンジ・フリックと人間的にもプロとしても相性がよかったとしても、彼に続くのは間違っていると感じた。代表に行ったほうがラクだったかもしれないが、私はいつも険しい道を選んできたんだ」

 その後、足に血栓が見つかり、「トレーニング中に生気のない顔はしていたくない」とシーズン末にバイエルンを退団。しばらくは治療に専念し、4カ月後に医師から「またスポーツをしてもいい」との許可が出た。現在は古巣のカイザースラウテルンが、彼をヘッドコーチに狙っているという。

 クローゼにはノアとルアンという双子の息子がいる。ふたりともサッカーをしており、現在はともに1860ミュンヘンU-17でプレーしている。ポジションはそろってCFだ。クローゼの父親もプロのサッカー選手だったので、3世代選手が生まれるかもしれない。
(つづく)

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