【3922】天狗舞 旨醇 純米 カップ(てんぐまい)【石川県】

2019年08月19日 15時59分
石川県白山市 車多酒造
石川県白山市 車多酒造

 父の日になれば、二男からカップ酒の詰め合わせが送られてくる。かれこれ数年になり、総種類数は相当な数に上っているが、どれ一つとして同じものがない。おそらく、ちゃんとチェックして発送しているのだろう。わたくしは、この父の日プレゼントを楽しみにしている。

 今回も8種類セット。その中から「天狗舞 旨醇 純米 カップ」を晩酌酒としていただく。以前、「天狗舞 旨醇 純米酒」(当連載【28】)を飲んだことがあり、今回の酒は、それと多分同じ中身なのではないか、とおもう。当時のテイスティングメモは「濃い。酸味がある。コメの旨みを強く感じる。濃醇な一方、辛口でシャープな飲み口。旨みと辛み」だった。

 車多酒造のお酒というと、当連載では、今回の酒を含め、「天狗舞」を8種類、「五凛」を4種類取り上げている。「五凛」は、クセのない清らかな酒質だが、「天狗舞」はその真逆で、ガツンと来る熟成香味が強烈、というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 酒が黄色く色づいている。かなり濃く色づいている。見ただけで、かなり強い熟成香を予感させる。じっさい、熟成香が非常に立つ。酸と旨みも立っており、両者のバランスが良く、旨酸っぱい味わい。最初は軽快感があったが、次第にじわじわ複雑旨みが出てくる。余韻は旨辛み。この辛みが長く続く。

 次に、ぬる燗(40℃)にして飲んでみる。熟成香がむんむん。酸が非常に立ち、前に出てくる。酸は旨みを伴い、キレが良い。冷酒のときもぬる燗のときも、基本的には同じ味わいだが、ぬる燗の方が熟成香が強まり、酸が強まり、複雑な旨みがより複雑になり、味幅がより広がる。要するに、ぬる燗の方が圧倒的に旨い酒だった。食中酒としても、酒だけの単独酒としてもOK。わたくしなら、酒だけで長時間、ゆるゆると飲み続けたい。

 瓶のラベルの表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合60%、製造年月19.4」。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「『天狗舞』は、霊峰白山を源とする伏流水を用い、熟練の蔵人が丁寧に醸し育む旨し酒です。『旨醇』は、辛さと旨さのバランスの取れた、食中酒として最適な純米酒です。お料理にあわせてお楽しみください。お酒の色は、良質の味わいを思い起こさせる熟成した山吹色です」

 この蔵のホームページはこの酒を「辛さと旨さのバランスのとれた食中酒として最適な純米酒です。豊かな旨みと酸味がお料理をさらに引き立てます」と紹介している。

 また、このカップ酒の販売元である東京・中野の酒販店「味ノマチダヤ」のサイトはこの酒を「米の持つ『コク』を味わいに表現させた『天狗舞』の真骨頂です!」と紹介している。

 主銘柄「天狗舞」の由来について、コトバンクは「昔、蔵はうっそうとした森に囲まれ、夜には天狗が打ち鳴らす太鼓の音が聞こえたという。酒名はこの伝説に由来」と説明している。

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