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4月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル続伸、米10年債利回り上昇で-週間で0.9%高

  20日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続伸。米10年債利回りが2014年1月以来の高水準に上昇し、ドル買いを誘った。週間ベースで、ドル指数は0.9%高と年初来で最大の上げとなり、スウェーデン・クローナを除く主要10通貨全てに対してドルは上げた。

  この日、主要10通貨の中では資源国通貨の下げが目立った。利回りの上昇と商品相場の下げが売りを誘った。欧州中央銀行(ECB)当局者らは債券購入プログラムを終了させる手順について、7月会合まで発表を待てると考えているとの報道を嫌気し、ユーロは下げた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%高。ドルは円に対して0.3%上昇し1ドル=107円66銭。ドルはユーロに対して0.5%高の1ユーロ=1.2288ドル。

  10年債利回りは一時2.960%と、4年ぶりの高水準。2年債利回りは2008年8月以来の高水準となる2.457%に達した。
  
  ニューヨーク原油先物は小幅反発。原油価格は「人為的に高くつり上げられている」とするトランプ米大統領のツイートを受けて一時は下げる場面もあった。石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長は原油市場について最悪期を脱したと発言。ロシアのノバク・エネルギー相はOPECとロシアが結んだ減産合意が米国の生産増につながったとの見方を示した。

  ドルは一時107円86銭と、2月21日以来の高値を付けた。ほぼ米国債利回りの動きに添う形となった。

欧州時間の取引

  ドル指数が4日続伸。利回り曲線のスティープ化を受け、ヘッジファンドが持ち高の解消に動いた。ヘッジファンドはドルの一段高を予想している。
原題:USD Finishes Strong as Yields Hit Multi-Year Highs: Inside G-10(抜粋)
Dollar Has Best Run in 2 Months on Hedge Funds Bids: Inside G-10(抜粋)

◎米国株・国債・商品:株と国債が続落、10年債利回り年初来最高

  20日の米株式相場は続落。決算シーズンは今のところ総じて堅調に推移しているものの、市場はハイテク株への売りに押された。米国債は下落。インフレ懸念を背景に10年債利回りは取引終盤に2.95%を突破、年初来の最高に達した。

  • 米国株は続落、アップルが下げ半導体とコンピューター銘柄に売りが広がる
  • 米国債は続落、10年債利回りは2.96%で年初来最高
  • NY原油は小反発、OPECが追加減産に前向き-トランプ氏ツイートで一時下落
  • NY金は続落、地政学的な緊張が和らぐ

  半導体やコンピューター銘柄が大きく下落。アップルは中国市場での見通し悪化に基づくアナリスト投資判断の引き下げが響き、2月初旬以来の大幅安となった。米国の極めて重要な技術に対する中国からの投資を抑制するため、米財務省が緊急権限法の適用を検討していると伝わったことで、貿易問題にも引き続き注目が集まった。

  S&P500種株価指数は前日比0.9%安の2670.14。ダウ工業株30種平均は201.95ドル(0.8%)下げて24462.94ドル。ニューヨーク時間午後4時35分現在、米10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.96%。

  ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は小幅反発。週間ベースでは2週連続の上昇となった。原油価格は「人為的に高くつり上げられている」とするトランプ米大統領のツイートを受けて一時は下げる場面もあったが、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国が一段の減産に前向きな姿勢を示したことが買い材料となった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比9セント(0.1%)高の1バレル=68.38ドルで終了。週間では1.5%上昇した。ロンドンICEの北海ブレント6月限は前日比28セント上げて74.06ドル。

  ニューヨーク金先物相場は続落。週間ベースでは3週間ぶりに下落。米国とロシアの政治的緊張が和らぎつつあることや、ドルの上昇を背景に、逃避先としての金の買いが減退した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は0.8%安の1オンス=1338.30ドルで終了。週間では0.7%値下がりした。
  株安が拡大する中でも、米国債利回りは上昇を続けた。最近の金属相場急騰を受け、債券市場の指標はインフレ期待の上昇を示している。

  ノースウェスタン・ミューチュアル・ライフ・インシュアランスのウェルスマネジメント部門で最高投資ストラテジストを務めるブレント・シャット氏は、「金利がまた上昇しており、金利高が米経済と市場に及ぼす影響に対して懸念が広がっている」と電話で指摘した。

  ゼネラル・エレクトリック(GE)は堅調な決算を受けて値上がりした。この日上昇したダウ銘柄はわずか4つで、GEはその一つだった。

  半導体株の急落は世界経済減速の可能性から米国と主要経済国との貿易摩擦の影響に至るまで、市場が直面するリスクをあらためて認識させた。

  米国債は幅広い年限で下落したが、短期ゾーンの下げが比較的小さかった。10年債利回りは過去3営業日に合計12bp上昇した。
原題:Stocks Fall on Tech Selloff, Bond Slide Deepens: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Slide Despite Stock Losses; 10Y Yield Hits YTD Highs(抜粋)
Oil Shrugs Off Trump Tweet to Rise for a Second Straight Week(抜粋)
PRECIOUS: Gold Futures Drop as Global Geopolitical Tensions Wane(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債利回りが低下、当局者がQE終了発表先送りを示唆

  20日の欧州債市場では、ドイツ債が日中安値付近から上げに転じて引けた。ユーロ圏の当局者がブルームバーグニュースに対し、ECB当局者らは債券購入プログラムを終了させる手順について7月会合まで発表を待てると考えていると明らかにし、材料視された。市場が織り込む英イングランド銀行の5月利上げ確率が50%を割り込む中で、英国債は堅調を保った。

ドイツ10年債利回りは一時0.605%を越えて上昇したものの、報道を受けて下げに転じ、先物の出来高は急増した。

  国債市場の来週の需給は良好。フランス債で大規模な元利支払いが予定され、イタリアやドイツ、ベルギーの発行額を上回る。ECBの政策会合も注目されるが、フォワードガイダンスや政策が変更されるとの期待は低い。短期金融市場が織り込むイングランド銀の5月利上げ確率は今や48%となり、19日の82%から低下。11月の追加利上げの確率は24%、19日は44%だった。英10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.49%。
原題:Bund Yields Drop From Highs on ECB; End of Day Curves, Spreads(抜粋)

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