海沿いのメガソーラーは、津波による損害リスクが課題になる
海沿いのメガソーラーは、津波による損害リスクが課題になる
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 三井住友海上火災保険が2012年6月に商品化した「メガソーラー総合補償プラン」が好調だ。同プランは、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の維持管理に伴うさまざまなリスクを総合的に補償する保険や金融商品をパッケージ化したもの。

 以下の5つリスクに対応した商品をセットにした。(1)火災、落雷など不測かつ突発的な事故による物的損害、(2)地震または噴火による物的損壊、(3)火災などの事故により、財物損壊を受けた場合の利益の損失、(4)メガソーラーの管理などに起因して他人に損害を与えた場合、(5)日照不足による発電量の減少――だ。(1)~(4)は各種の損害保険、(5)は天候デリバティブとよばれる金融商品で対応する。

 メガソーラー事業者は、自社の設備の置かれた立地、周辺環境なども考慮して、これらの商品から選んで組み合わせリスクを低減する。三井住友海上火災保険によると、「ほとんどのメガソーラー事業者は、(1)の(4)に備えた損害保険を契約しているが、(2)と(3)の保険に関しては契約を見送る事業者もある」という。これまで明らかなメガソーラー向けと判断できる損害保険契約は約150件、天候デリバティブは18件の契約があったという。

 メガソーラーの維持管理時を対象にした保険は、建設工事が進み、稼働が近づいた時点で契約することが多い。今後、建設中のメガソーラーの稼働が増えるに従い、メガソーラー向け保険商品の市場も拡大しそうだ。