写真左からESP佐藤大樹氏・ESP佐々木顕博氏・バンダイ寺野彰氏 ・バンプレスト吉川太氏 ・バンプレスト小野修也氏・バンプレスト嘉村優一氏

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今年、10周年を迎えた「モンスターハンター」。言わずと知れた国民的ゲームで、ハンティングアクションというジャンルを根付かせた大人気シリーズだ。この夏には渋谷のヒカリエにて「10周年記念 モンスターハンター展」が開催、2014年10月11日(土)には最新作となる『モンスターハンター4G』も発売。さらには、10周年を記念して様々な業界・メーカーともコラボレーションも予定されている。

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ゲーム業界を飛び出して広がり続けるモンスターハンターの魅力はどこにあるのか。今回、10周年コラボ企画に参加した株式会社バンプレスト、株式会社バンダイ、株式会社イーエスピー、ドゥカティジャパンの4メーカーに集まっていただき、コラボ企画の詳細や狙いについて語っていただいた。(※ドゥカティジャパンのみ、別日に取材)

――お集まりいただきありがとうございます。さっそくですが、コラボ商品について教えていただけますか。

■翼膜や鱗など、リオレウスのモチーフを随所に使用

バンプレスト:今回はモンスターハンター10周年ということでシリーズを代表するモンスターである炎剣リオレウスをモチーフとしたゴルフグッズを発売します。キャディバッグ、ゴルフボール、ゴルフマーカーの3アイテムです。ボールは全10種類、マーカーは全12種類。ボールのブランドは「kasco」なので性能も非常に良いですよ。

――キャディバッグのデザインが非常に凝っていますね。

バンプレスト:翼膜や鱗など、リオレウスのモチーフを随所に使用しています。イメージとしては、リオレウスの素材でできたキャディバッグという感じですね。特に鱗の表現はがんばりました。凹凸などの表現に注目していただきたいですね。バンプレストでは過去にモンスターハンターと一番くじやゲームセンター用景品でコラボしたのですが、ゴルフバッグは初めてです。

――なぜゴルフだったのでしょう。

バンプレスト:ゴルフグッズも徐々に始めてはいたんですよ。それで、モンハンでゴルフというのもいいんじゃないかということで。あとは10周年ということで、当時10代だったプレーヤーも大人になっていますよね。ゴルフをされている方もいるだろうと考え、10周年を機に商品化しました。

――バンダイさんはいかがでしょう。

■転機になったのは、「モンスターハンター4」から登場した変形する武器

バンダイ:弊社は「超合金」でモンスターハンターとコラボします。実は「超合金」って、今年で40周年なんですよ。それで何かこれまでとは違うことをやりたいなとは2012年くらいから考えていたのですが、ちょうどモンスターハンターも今年10周年を迎えるということなので、10周年×40周年コラボをさせていただくことになりました。

――なぜ超合金でコラボ商品化をしようと?

バンダイ:もともとモンハンと何かしたいという思いはあったのですが、転機になったのは、「モンスターハンター4」から登場したチャージアックスやスラッシュアックスといった変形する武器ですね。今回持たせた武器のデザインはオリジナルなのですが、やはり片手剣と大剣に変形します。玩具会社バンダイとして、やっぱりおもちゃっぽいギミックを入れたいと思っていて、そこに変形する武器が出てきたので、これだ! と。それに、バンプレストさんやカプコンさんでもフィギュアは作られていますよね。そんな中で同じものを作るのではなく、バンダイ「魂ネイションズ」がやるならこれしかないと。

――ESPさんは今回、カプコンと初めてのコラボですよね。

■楽器としても最高レベルのものに

ESP: そうなんです。炎剣リオレウスをモチーフにしたギターを発売します。お値段は高め(230万円)ですが、楽器としても最高レベルのものになります。きっかけとしては、カプコンの担当者の方からお電話をいただいたのですが、その方が音楽好きだったこともあり、すぐに意気投合して話が進みましたね。

――ESPさんはこれまでにも色々な異業種コラボを行っていますよね。

ESP:ええ。それこそバンプレストさんですとか、円谷プロさんとコラボさせていただいています。そういうところもあって、お話をいただけたのかなと。個人的にはものすごく嬉しかったです。お、ついにきた! と(笑)。

――ドゥカティジャパンさんはバイクでコラボされますよね。

■Monster 1200のマーケティングプランを考えていた中で企画が生まれた

ドゥカティジャパン:モンハンバージョンのコラボバイクは、お互いのもつブランドの良い部分を引き出し、とても素晴らしいコラボ商品ができあがりました。以前から双方に興味のあるブランド同士だったんですよ。お会いすると相思相愛であることがわかったので、コラボの話が一気に進展しました。

――とはいえ、モンハンとバイクというコラボは異色です。

ドゥカティジャパン:ちょうど、今年の夏ドゥカティのネイキッドバイク「Monster 1200(モンスター1200)」を発売する事が決まり、何か話題になることは無いか?とMonster 1200のマーケティングプランを考えていた中で、モンスターといえばモンスターハンターというシンプルな考えが浮かび、ドゥカティの新発売バイクMonster 1200 をベースに、MHヴァージョンのバイクを創るというコラボに行き着きました。

――皆さん、様々な経緯でコラボレーションのお話に至ったのですね。バンプレストさんはモンスターハンターのどんなところに魅力を感じていますか?

 

バンプレスト:過去のコラボの話になるのですが、弊社ではモンスターハンターの一番くじも発売しています。この売れ行きがすごく、すぐなくなっていくんですよ。モンスターハンターの一番くじは現在5年目で、9タイトル。9タイトル目はちょうど10周年ということで、男女のハンターをフィギュア化しています。特徴的なのは男女比ですね。2009年に一番くじを始めたときは男女比が7:3だったのですが、5年経ってみると、男女比が5:5になっていたんです。これはアイルーの女性への認知度が上がったからでしょう。モンハンをやったことがないけど、アイルーは好きという人もいて、とても幅広いです。

――たしかにアイルー人気はモンハンという枠を超えつつある気がします。

バンプレスト:モンスターハンターという世界観の中に、いろいろな方向性がありますよね。アイルーのようにかわいいラインがあったり、ハンターやモンスターのようにかっこいいラインもある。そういうところで様々なグッズに落としこむことが可能ですし、開発側も楽しんでやれるのが魅力だと思います。

――バンダイさんは超合金とのコラボですが、超合金の魅力を教えていただいてもいいですか。

バンダイ:まずさわったとき、重くて硬くて冷たいことですね。40年前のマジンガーZのコンセプトがそうなのですが、子どもの手の中に収まるサイズだけど、金属のロボットとして存在感がある。それに、実際に変形するロボット玩具を初めて出したのって、実は超合金なんですよ。重くて硬くて冷たくて、変形や合体もする。なんでもありですがこれが超合金の良さですね。あと塗装だけでは出ない金属のギラッとした質感も売りです。

――今回のハンターのデザインはオリジナルです。

バンダイ:通常のフィギュアならできるだけ元のデザインに近づける作業なんでしょうけど、超合金はそうではないんです。あくまで超合金としてアレンジしたデザインなので、線引きが難しいんです。カプコンさんからはシルエット、アウトラインの部分でしっかりチェックが入りましたね。もっとも、昨年の東京ゲームショウでの打ち合わせのときは、超合金としてギミックもりもりの状態のものをお持ちしたので、そのままいくと大変でした。ロケットパンチは飛ぶわ、変形するわで(笑)。その後、カプコン ディレクターの藤岡さんにデザイナー候補を提示させていただき、「機動戦士ガンダムUC」などのデザイナーであるカトキハジメさんにデザインアレンジをお願いすることになりました。藤岡さんも世代的にカトキさんをリスペクトされていましたので。

――ESPさんは初めてのモンハンコラボですが、周囲の反響はいかがでしたか?

ESP:またESPがやったか! という感じでしたね(笑)。いろいろなメーカーさんとコラボさせていただいているので、たしかにそういうイメージはあるかもしれません。モンスターハンター10周年パーティーで最初の発表があったとき、会場が軽くどよめいたんです。モンハンファンの皆さんも驚かれたんじゃないでしょうか。

――ギターとの異色のコラボという点もそうですが、お値段もなかなか手が出ない金額ですよね。そこは、たとえば廉価な量産品という案はなかったのでしょうか。

ESP:もちろんありました。しかし、弊社はモンハンコラボのメーカーとしては新参者ですし、まずはインパクト勝負で、うちが持っている最強の武器で勝負しようということになりました。モンハンはハンティングアクションの元祖であり、最高峰ですよね。我々もエレキギターのオーダーメイドでは元祖であり最高峰を自負していますから、そういうところがコラボすることで、皆さんにインパクトを与えるものになればと思っています。

――ギターは炎剣リオレウスをモチーフにしたものです。

ESP:社内にもモンハン好きのスタッフがいて、いろいろ意見をもらいました。今回は代表的なモンスターということで、やはりリオレウスだろうと。モンハンギターは高額ですが、工芸品のような彫り物ですし、車でいうとフェラーリやランボルギーニのようなあこがれの対象になればと考えています。エレキギターってこんなに夢のあるものなんだよということをアピールしていきたいですね。

――ドゥカティジャパンさんはコラボの効果に何を期待されますか?

ドゥカティジャパン:バイクに接する機会の少ない世代の方に、バイクのかっこ良さを知っていただき、バイクに関心を持ってもらうきっかけになることを期待しています。バイクとゲームは一見遠い存在のように感じますが、ゲームとバイクの両方を趣味とする方の割合は比較的高いようで、実際にモンハンコラボバイクの購入を検討いただくことにつながればなお良いと思っています。

――実際に反響もありましたか?

ドゥカティジャパン:多くのメディアで取り上げられ、ドゥカティというバイクブランドに興味を持っていただく方は確実に増えています。発表時には弊社ホームページへの訪問者数も大きく増加しました。10月末までの注文期間を設けていますので、今後もコラボの効果は続いていくことを期待したいですね。

――最後に、各コラボ商品の今後の展開などについて教えてください。

バンプレスト:一担当としての意見ですが、やはり第二弾、第三弾とやっていきたいですね。今回はリオレウスがモチーフですが、それこそモンスターハンターにはモンスターがたくさんいるわけですから。

バンダイ:次はいっそ合体しても面白いんじゃないかと思いますね。リオレウスとラギアクルスが合体してロボットになるとか(笑)。それくらいどうなるのかお客様が想像できないことをやっていきたいです。モンハンとの相性の良いのは、ゲーム開発の皆さんもおもちゃを好きでいてくれるからなのかなと。スラッシュアックスやチャージアックスなど、ギミックになんとなくおもちゃっぽさが感じられるところもあって。

ESP:やはりもう少しお求めやすい商品も展開できればと思いますね。他にもギター用のアクセサリとか、ピックとか、アイルーの姿のかわいいギターなんかもあってもいいと思います。……で、最終的には合体できればいいなと(笑)。

バンダイ:そのときは超合金のロゴを入れてもらえればOKです(笑)。

ドゥカティジャパン:バイクブランドですので、今度はモンハンのゲームの中に弊社のバイクが登場する、なんてコラボをしてみたいですね。


――皆さん、ありがとうございました!

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